photo_bunmeidoの日記

石川県のカメラ屋さんの日々のお話

【修理】Zenza Bronica S2ブラック

【修理】Zenza Bronica S2ブラック

6x6の真四角サイズが撮影できるゼンザブロニカS2が入荷いたしました。

ハッセルほどのお作法は必要ありませんが使い方に癖があります。

f:id:photo_bunmeido:20211029100720j:plain

和製ハッセルともいわれたブロニカS2

さて、このカメラは1965年に発売されたカメラです。機械式カメラでメンテナンスすれば長く使うことができますが、樹脂類は劣化しています。

このカメラはミラーの裏にモルトが貼ってあり、劣化し、やせることによりミラー面が沈下してファインダー上の無限遠が出ないことがあります。

f:id:photo_bunmeido:20211029101015j:plain

劣化したモルト(オレンジ部分)

また、焦点板とフレネルレンズがついた上部にあるモルトが劣化していることによって無限遠が出ないことがあります。

f:id:photo_bunmeido:20211029100737j:plain

四隅に劣化してこびりついたモルト

この両方を直さなければ、ウェルとレベルファインダーで見た像と実際にフィルムに焼き付く像に差ができてしまいます。これを直す作業は容易ではありません。

 

この個体はそれ以外に不具合がなかったため、テスト撮影ののちに販売をいたします。

f:id:photo_bunmeido:20211029100722j:plain

値段も高騰しているので是非お早めに手に入れておきたい機種です

 

 

【作例】もっとも敷居の低い天の川撮影方法

最も意識の低い天の川の撮影方法

自分の目で見る満天の星空は何度見ても感動しますね。カメラで撮影すると思ったよりもきれいに簡単に撮影できますのでその方法を書いていきます。ぜひカメラを持ち出して撮影に挑戦してみてはいかがでしょうか。

①空の事

1.天気は晴れている方が良い

  天気を観るにはSCWというサイトとGPVというサイト、そして星空指数のサイトを参考にします。雲や水蒸気が少ない日を選びましょう。

2.天気は東から西へ流れる

  石川県だと京都(若狭)付近の雲が石川県に到達するまで2時間位かかります。移動や準備を含めると撮影地域上空が晴れていても京都付近の雲が来る可能性があります。逆に曇っていても京都付近が晴れていたら望みありです。

3.余計な光がない場所で撮る

  町から離れているまたは人々が就寝する11時ごろから撮影し始めましょう。町明かりがあっても地形によって遮ることができればOKです。山のむこうに町があっても大丈夫です。

4.月が出ていない時に撮る

  満月はとても明るくて天の川の光が見えなくなってしまいます。新月(月が全く見えない状態)ならよいのですが、満月であっても月が見えない日ならば大丈夫です。新月出なくても三日月位なら影響はありません。月の形を調べたい場合は月齢カレンダーをネットで調べましょう。

5.天の川の方向を知っておく

  星座早見盤がなくても大丈夫です。スマフォのGPS連動アプリを使えば場所がわかります。ちなみに私は星座表というアプリを使用しています。

②撮影機材

1.カメラは30秒くらいまでシャッタースピードが開けられるものが必要です。

  1/30秒ではありません。30秒です。バルブ(B)ができればなお良いです。

2.三脚が必要です。どんなものでもよいです。カメラが付けば。

3.レリーズケーブルがあるといいです。

  シャッターを押すときにカメラではなくリモコンやBTアプリやレリーズケーブルを使いましょう。そうすればテブレしないです。なければセルフタイマーでシャッターを切れば大丈夫です。

4.レンズは広角であれば広角であるほど良いです。

③撮影設定

これが大事です。

1.シャッタースピードの決め方

  500÷35mm焦点距離シャッタースピード時間

これだけ覚えておけば大丈夫です。

例1 フルサイズに35mmのレンズをつけているとき

   500÷35=14.2秒 シャッタースピードは15秒位

例2 APS-Cニコン)に24mmのレンズをつけているとき

   500÷(24×1.5)=13.8秒 シャッタースピードは14秒位

例3 APS-Cキヤノン)に24mmのレンズをつけているとき

   500÷(24×1.6)=13.02秒 シャッタースピードは13秒位

例4 マイクロフォーサーズに14mmのレンズをつけているとき

   500÷(14×2)=17.9秒 シャッタースピードは18秒位

2.ピントは無限にしておく

  液晶やレンズに∞のマークがあったらそれに合わせておけばOKです

3.絞りは開放

4.ISO感度は出来上がりを見て変える

  明るすぎたら感度を下げる。暗すぎたら感度を上げる。ノイズが出たら感度を下げる。これだけは撮影してみて変えていかなければならない設定です。

5.ノイズ除去の設定

  高感度時のノイズ除去 ON、長秒時のノイズ除去 ON

⑤おすすめの撮影スポット

  1.キゴ山天体観測センターの駐車場

  2.綿が滝の駐車場

  3.鳥越城跡

④まとめ

空の条件が良い日に三脚とカメラをもって天の川の方向に向かってシャッターを切る。実際はそれだけで想像以上にきれいな天の川が撮影できます。私は現在、赤道儀を使った画像処理などをしていますが最初はただ闇雲にシャッターを切っていただけでした。それでもきれいに撮影できた時は感動しましたし高度な技術はその延長だと思います。まずは気軽にシャッターを切ってみるのが楽しいですよ!

f:id:photo_bunmeido:20210916110554j:plain

撮って出しの天の川 EOS6D+Tokina19-35mm

 

 

 

 

 

 

 

 

【修理】<New>Zoom Nikkor 28-45mm F4.5

【修理】<New>Zoom Nikkor 28-45mm F4.5

ニッコール千夜一夜物語の15夜に掲載されているレンズが入荷しましたので整備です。

レンズ内はきれいでしたが、スカイライトフィルターが取れません。

ヘリコイドグリスもスカスカになっていました。

 

f:id:photo_bunmeido:20210909092755j:plain

分解してヘリコイドグリスを注入します



 

 

f:id:photo_bunmeido:20210909092325j:plain

ラバーにも汚れがありました(雑巾の黒ずみがそれです)

f:id:photo_bunmeido:20210909092329j:plain

おおむね完成しました

スカイライトフィルターの取り外しが一番苦労して、2日間もかかりました。

最終的に割って外枠を切断して取り外しました。専用工具が欲しいところです。

内部の分解は特殊な工具が必要なレベルで行っていませんので割とスムーズにいきました。

若干ヘリコイドに砂がかんだような違和感がありますがスカスカな状態ではなくなりましたのでこれくらいで作業完了とします。

外観の擦れも多く、ヘリコイドも違和感が残るためそれなりの金額で販売予定です。

【作例】星の写真の撮り方

【作例】星の写真の撮り方

9月になり天気が悪い日が続きます。

9月6日の深夜に銀河の写真を撮影してきました。

f:id:photo_bunmeido:20210908151109j:plain

M31アンドロメダ銀河 ダークフレーム減算処理のみ

場所 キゴ山ふもと

カメラ EOS6D

レンズ AutoNikkor200mmf4

三脚 ベルボンマーク6

赤道儀 ケンコー スカイメモS

ISO3200 f5.6 シャッタースピード187秒 ダークフレーム5枚

1枚撮り

という条件で撮影をしました

 

f:id:photo_bunmeido:20210908151056j:plain

撮影風景

星雲の写真は面白いですが気象条件と赤道儀が必要なので敷居は高いですね。

天の川の撮影はもう少し楽にできます。

次回の解説をお楽しみに。

【商品】入荷情報

入荷情報

9月になってから天気が悪くじめじめしていますね。

Lomographyのフィルムが入荷いたしました。

日照時間が短くなりますので感度800のフィルムを多めに入れました

f:id:photo_bunmeido:20210902184019j:plain

ちょっと変わったフィルムもございます

中判の感度400のフィルムもございます。ご来店の際はぜひフィルムコーナーを覗いてみてくださいね

【商品】入荷情報

8月も末になりました。

ポラロイドのフィルム、キャップ類などが入荷いたしました。

f:id:photo_bunmeido:20210831145001j:plain

ポラロイド、キャップ類の入荷

 

 

モグラフィのメトロポリス、パープル、ポツダム、ベルリンも缶入りでばら売りを始めます。お値段は通常の単品と同等なうえにおしゃれなアルミケースですので小物入れに最適かもしれませんね。

f:id:photo_bunmeido:20210831145155j:plain

モグラフィの缶入りフィルムの販売も行います。キーホルダーもついています

 

【観光】加佐ノ岬・片野海水浴場・長者屋敷跡(ポートレート向け)

片野海水浴場と長者屋敷跡

夏の終わりに加賀市にある海水浴場にいってみました。

 

5分ほど少し林の中を歩くと白い灯台と開けた断崖が一望できる加佐ノ岬があります

f:id:photo_bunmeido:20210830151253j:plain

加佐ノ岬の灯台

 

岬から南へ15分ほど車を走らせると片野海水浴場があります

海岸線を1分ほど歩くと長者屋敷跡という場所があります

何かあるというわけではありませんが変わった粘土質の地形があります

f:id:photo_bunmeido:20210830151245j:plain

ここはロープが垂れ下がっており上に上ることができます。滑落には注意が必要です

 

きれいな岩が見えます

f:id:photo_bunmeido:20210830151234j:plain

 

こちらの植物は天然記念物ですので踏み荒らさないように注意ください

f:id:photo_bunmeido:20210830151231j:plain